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■師走トオル「僕と彼女のゲーム戦争 6」/電撃文庫



合宿二日目。後編に相当。

「シヴィライゼーション5」がメイン。シリーズの一作を積んでいるので参考になりそうだなーと思いつつ読んだが、まあ参考にならないな。実績解除とは無関係の話だし。
途中から極々普通に多数同時の戦略ゲーの駆け引き的な面白さで読むコトに切り替えた。本来複雑なゲームなんだろうが、面倒そうだったり退屈な要素を削ぎ落として小説に仕立て上げているのは良い。

追加の交流戦はアサクリ。アサクリもなあ、オンでやったけど談合で実績の為だけにやったので、『知っているゲームだからますます面白い』というワケでもなかった。アサクリのオン対戦にはこんな駆け引きが存在していたのか。

瀬名先生は上手いキャラだなと改めて思った。読者に向けたゲーム説明のナビとしても良いし、エキセントリックさでちょっと荒い発言しても許される造形も良い。これで女だったら人気が集中していたんじゃないかと思う。

■夢枕獏「陰陽師 醍醐ノ巻」/文春文庫



「笛吹き童子」「はるかなるもろこしまでも」「百足小僧」「きがかり道人」「夜光杯の女」「いたがり坊主」「犬聖」「白蛇伝」「不言中納言」、以上9編収録。

2013年に文庫化された、結構新し目の陰陽師。ひょっとしたら現時点で最新刊なのかも。

今回は割りと頭に入ってこない話が多かった。何でだろ。読むタイミングが悪かったのか、今日日の作者の作風が合わないのか。元々そんなに凄いオチが待っている作品ではないが、収録作、これまで以上にどうでもいい感じで終わっていた印象。

「不言中納言」がちょっと印象的。物の怪相手とは言え約束違えたのに晴明に守られて終わりってのが釈然としない。こういう理不尽さは昔話に稀に見られるので、まあアリっちゃあアリなんだが。

■入間人間「電波女と青春男 6」/電撃文庫



文化祭の話。いつものノリでスタートしたものの、エリオの父親登場という一大イベントが打ち込まれてきてビビる。こ、こんなあっさり登場しちゃうんだという驚き。仰々しさもなく、極々自然にさり気なく登場しちゃうのか。しかも案外超越感もなく、丹羽にもただの地球人と言われている有様。良い。

また、番外編であった短編集たる4巻のキャラも多々登場。二度と出ないと思っていたような連中なのに。

ラストでエリオがステージに立つ様子も、地の文のシリアスさも相俟って最終巻感覚に溢れたノリであった。いつもすっとぼけたギャグ塗れの一人称語りなのに、その反動を狙ってたのかガチになっているのがやたら良い演出になってて憎い。実に憎い。

このシリーズ、まだ後二冊あるんだよなあ。エピローグ的な話になるんだろうか。この6巻でここまでやっちゃうとは予想外であった。

■御影瑛路「僕らはどこにも開かない」/電撃文庫



魔法がどうの言い出す導入から、何度か読者が想定するアリナシ判定が覆されるこの感じは良い。超常現象アリなのかそういうのはナシの世界観なのか、読んでて何度か脳内で書き直したよ。これは「姑獲鳥の夏」がミステリなのかホラーなのかよく分からないまま読んだ時の感覚に近い。

美紀の魔法の正体が明かされる中盤が好み。丁度ストーリー上で魔法が解ける/効かないという状況で、その正体が明かされた読者も魔法が解けているという重ね具合が宜しい。

ギラギラした青春小説ながらも登場人物が総じて賢いタイプの作品。この年齢でこれだけの達観にはビビるし、同じ時期の自分を思い出すと恥ずかしくなる。

■夢枕獏「獅子の門 2」/光文社文庫



久我重明登場。板垣版餓狼伝に出張しているキャラなのでビジュアルがイメージしやすい。黒づくめで、鉄のような描写が多く、文字でキャラを表現しつつビジュアルがイマイチ浮かばないってのは餓狼伝のとにかく「太い」松尾象山に似たものを感じる。前述の通りビジュアルは板垣版で固定されてしまうんだが。

その久我重明、志村を弟子にする。志村が凶暴になりそうでこれは楽しみ。ていうかあの久我重明がそれなりに鍛え込むとどれほど強くなるのか楽しみ。

武志のプロレスラーへの道も出来つつある。武志は今のところ素朴で優しくて穏やかという、ベッタベタな造形なので魅力に欠けるかなあ。こんなキャラがギラギラした野心家を圧倒するのは痛快なので、そっち方向に期待したい。

■夢枕獏「獅子の門 1」/光文社文庫



完結している夢枕獏作品。全8巻の模様。

群狼編と冠されているこの1巻では、5人の少年を扱った短編集という趣。格闘へ目覚めつつある少年それぞれに、羽柴彦六なる中国拳法の使い手が何かしらの関わりを見せる連作集。現時点ではとても面白い。

少年の誰もが主人公張れるような未知のワクワクがあるし、連中が戦うのか共闘するのか、色んな可能性が眠っていて高揚する。全8巻、この密度で駆け抜けてくれるんだろうか。

志村礼二あたりが直情的かつ美形な描写もあるし主役に相応しそうでもある。が、この1巻の段階で気になるのは芥菊千代かな。ガリガリでな体型、昆虫の足をもぐという変態的行為、同じ訓練を己の肉体の限界を越えて繰り返す根性、色々ぶっ壊れてそうで今後が楽しみ。博士と会う前のジャックハンマーっぽい雰囲気ある。

室戸武志も道産子な理由で応援したいんだけど、プロレス主体の打たれ強さキャラって時点で駄目そう。

まあ、実は事前に嫌な情報も目にしており、「少年たち放置で羽柴彦六の物語になる」というもの。そうなったらそうなったで仕方ない。今は楽しいから良し。いざその時になって不満感じたら語るとするよ。

■師走トオル「僕と彼女のゲーム戦争 5」/電撃文庫



複数校による一泊二日の対抗戦が開始される。まあ、合宿的なもので、女子校だらけの中主人公が孤軍奮闘するような流れに。今までもそんな感じだったし特に変わりはないがな。顧問の瀬名先生もちゃんと付いてきているし、いつものノリは健在。

ゴルフゲー、落ち物パズル、シューティングが題材に。瀬名先生のエキセントリックな解説があるのでよく分からないジャンルも何となく理解出来るってのはこの作品の基盤として強い武器だなと改めて思った。東方花映塚、この辺まではやった覚えがあるんだが、対戦まで踏み込むとこんなゲームだったのか。そして、シューティングは今回のこの部分だけで終わりなんだろうなあ。対決の題材にし難いジャンルだし致し方ない。

最後は唐突に告白シーンあり。色恋には明確な答えを出さないハーレム系かと思いきやそっち方向もはっきりさせて進めるのかと驚く。

■夢枕獏「陰陽師 飛天ノ巻」/文春文庫



「天邪鬼」「下衆法師」「陀羅尼仙」「露と答へて」「鬼小町」「桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと」「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと」、以上7編収録。

「鬼小町」が出色。この飛天ノ巻は当シリーズの連作短編集として、二冊目になるんだが、この時点でこういうオチの話を作っていたのか。安倍晴明が「これは無理」と投げちゃうオチ。びっくりしたわ。扱ってるキャラも誰もが知る的な存在だし、作者も晴明万能素敵!の糧にし難かったのかなあ。いや、初期だからこそまだ晴明をカリスマ化させてなかったが故のこのラストだったのかも知れないな。

「陀羅尼仙」が地味に現代的でツラい。坊さんが煩悩捨てれず二次元に淫しているという身も蓋もない話。夢枕作品の別件でならギャグになってたんだろうなあというオチ。陰陽師シリーズにもこういう話組み込むのか。まあ、仰々しいオーラ出しているので格調高い雰囲気に収まっていはいるんだがな。どちらかと言えばバカネタでしょコレは。

■笹沢左保「木枯し紋次郎 (十二)」/光文社文庫



「奥州路・七日の疾走」、以上1編収録。

長編。敵対する相手も大前田栄五郎配下の30人の刺客&一刀流の達人と長編に見合う強敵。まず対多ってのが紋次郎でも苦戦するのは過去作で周知の通り。一気に30人がかかってくるワケでもないが、それでも集団の利をきっちり活かして攻めてくる。短編ではだいたいラストで一回ある立ち回りシーンがこの長編では数回入る。草原戦がシチュエーションの珍しさも相俟って面白かった。

そして一刀流の達人。無敵に見える紋次郎でも、サシですら勝てない相手はこれまでも出てきており、この一刀流もその一人になる。戦わずに済ませられるかと思ったトコロでの相手の変心もいいし、戦い方も良い。どんな強敵だろうと、勝とうが負けようが勝負は一瞬。太陽を使うってのは魔界転生の十兵衛VS武蔵を彷彿させて熱い。

意外な人物が意外な正体を顕すミステリチックなオチもちゃんと健在で、短編のコンパクト感がない長編でも冗長な印象は無く、面白い一作であった。読んでて心底苛立たせるキャラがいて、珍しくもあった。

■鎌池和馬「とある魔術の禁書目録 12」/電撃文庫



コメディ寄りの巻。が、今回は助走段階に過ぎず、次巻への仕込み段階だった模様。後書きで知ったが、衣替えをテーマにあれやこれや書いていたらしい。今作の行間、既出キャラを扱っての掌編が繰り広げられていたが、言われてみれば確かに衣類絡みのネタだったな。

ベクトルを変える一方通行対策として、ヒット前に拳を引くという話がここで出る。何かと馬鹿にされているネタであるが、本当にバカでしょコレは。理屈は分かるがイメージとして実感出来ないんですけど。意識して直前でパンチを引くとかマジイメージ出来ない。

木原がいい具合にクズ発言連発しているお陰で一方通行が善人に見えてくるけど出自は悪党だからな、こやつ。作中で贖罪の術を迷っているし、作者も旧来の「倒されたらすぐ仲間になって善人」なお約束には疑問を持っていそうではある。

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(これは藤林杏の為の歌じゃない)
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