■板垣恵介「範馬刃牙」34巻/少年チャンピオンコミックス
- 2012 05/12 (Sat)
ピクル、全く連載の引き伸ばしに貢献出来ず。そんなトコロから始まる34巻。
●引き金勝負
トリガー対決は勇次郎の勝ち。意識の0.5秒前、その更に0.5秒前、じゃあまたその先の0.5秒前、という具合に千日手的な無限ループを語る勇次郎。ん、よく分からんが、折角の刃牙特有のアドバンテージかと思った要素がこうもあっさり覆されてショックだ。まあ、勇次郎はこういうコトよくやるからな。この巻でも、幼年期編同様、回し蹴りをカウンター回し蹴りで返したり。
●カウントダウンVS抜拳
改めて引き金対決しようぜー的な提案をしたのに、いつの間にか勇次郎がカウントダウンしたら攻撃するよという話に。この辺はなあ、オリバVSゲバル序盤で勝手なルールを設けて盛り上がってるつもりの二人に駄目出ししたマリア気分になりながら読んでいたのは否めない。
勇次郎はカウントダウン完了後に茶番めいたノロノロした攻撃を放ち、刃牙は逆に即効の抜刀をかます。ノロノロ攻撃が接着した瞬間、一転して過激な攻撃を放とうとする勇次郎に、刃牙が仕掛けるのは虎王。
このシーン、トロい勇次郎には郭海皇の攻めのシャオリー臭がする一方で、抜刀刃牙には龍書文臭を感じる。何かこう、お互いに持ち味逆なんじゃないのかな感がある。
●虎王
勇次郎の攻撃が決まるのかと思いきや、刃牙が虎王を決める。虎王。これは幼年期編ラストで地下闘技場戦士最低ランクであった加納秀明を仕留めた技(当時は虎王という名は出なかったが)。刃牙にとっては裏格闘界へ突入した初心の技に過ぎない。しかしそれがこうしてラスボスに決まるってのは中々に高揚する展開である。この戦い、これまでの刃牙史全てが投入されるんだろうなと。
●寝技無効化
虎王を決められた勇次郎がそこから脱出した方法は、コンクリートの地面を刳り貫いての攻撃。ゼリーの上で戦ってるんじゃあ、グラインドは意味を成さないという解説。これもまた、グレーシー柔術の優位性/面白みのない強みへのカウンターたる答えになっていて面白い。ボクシングでコーナーに追い詰める/バーリトゥードで相手に馬乗りになる、これらはもうそれ以上後退して逃げ道を確保する行為を奪っているが故に強い。しかし、そんな物理的な可動範囲の剥奪すら勇次郎にとっては無意味。
●鬼哭拳
来ました来ました。ヒッティングマッスルを極限化して背中に鬼の貌を出す(ここまでは刃牙も可能、古武術でも記録アリ)。そして更に、それを泣かせる(これは現時点では勇次郎のみ)。その状況下から放たれる、とにかく力任せのぶん殴り攻撃がついぞ放たれる。便宜上鬼哭拳と称してみたが、正式名称は不明。力任せのぶん殴りとしか言いようが無い攻撃。
過去、愚地独歩を死に追いやった、余りの力みによって上半身が透けて見えるあの技が息子に放たれる。しかも連続2激。脱力否定派の勇次郎がマジ本領発揮。これまでの連載で、勇次郎が持つ唯一の限定技が炸裂して以下次巻。憎い。
勇次郎って、中国大擂台賽郭海皇戦での消力といい、独歩戦での琉球王家長男にのみ伝わる御殿手の公開といい、どんな格闘技もそつなくこなせるが、技術に拘泥する相手を茶化す意味合いとか馬鹿にして使っているケースばかり。本領は、力んでぶっ放つ攻撃に勝るものは無いという考えの人。そんな勇次郎が遂にその全力攻撃を放ったんだし、この最終決戦も折り返し地点には来てるだろ。
刃牙も他人の技をパクリまくっているんだが、こっちは「絆」という理由付けがなされている。同じ範馬のパクリ芸でも向かう先は正反対。勇次郎がこのまま勇次郎オリジナルに特化していって、一方で刃牙が仲間パワー(音速拳と剛体術の止揚とか)を繰り出していく展開になるのが熱いかなあ。
- No Tag
- Genre:日記


