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■松浦だるま「累」1巻/イブニングKC



10巻で五十嵐幾が出てきたのでつい再読。序盤も序盤の1巻はただただ悲惨な累の境遇が描かれている感じ。小学生時代はイチカの顔を奪い、結果死に至らしめている。高校時代では五十嵐幾と入れ替わるが、殺すまではいってない。ああ、でも小学生で間接的に人殺しているのかあ。累、もう救われる未来は無いよなあ。それでも応援したくなるキャラではある。特に1巻時点ではひたすら悲惨なだけだし。

羽生田も巻終盤で登場。透世の時同様協力を申し出るが、累の第一印象は『でもこの男何か気の許せない』というものだった。今は気の許せる存在になっているけど、この時の印象は最後の最後で正しかったとなったりするんだろうか。まだキャラが固まっていなかったが故の保険セリフなだけかも知れぬが。

10冊分も描いていると画風が微妙に変わっているのね。そこが再読して一番驚いた部分だよ。

■和月伸宏「るろうに剣心」1巻/集英社文庫



15幕まで収録。おまけでプロトタイプの読み切りも。

二枚目を一枚目にすえる漫画って、この作品辺りがルーツなのかなあ。SNKの格ゲーも美形を主役にしだした印象あるけどこっちのほうが早いよなあ。これ以前だと思い出せない。ビジュアルや性格的には左之助が本来なら主人公っぽいと感じる。熱血系。

不殺、というのが当時としては新しかった。命を捨ててでも勝利する、みたいな考えが少年漫画/バトル漫画の基本だった中で、殺さないし、自分も生きて帰るってのを優先するのは新鮮だった覚えがある。

結果、そのカウンターとして、「命を差し出す」的クラシックな話にも再び息が吹き込まれたと思う。覚悟のススメ全般とか、バキのアライジュニア戦での「命かける覚悟足りないヤツに容赦しない」みたいな思想、るろうにのカウンターでしょ。

14幕で黒笠戦が終わってて、この巻だけで作品エッセンスは充分描かれている。殺す気になっちゃってるからね、剣心。刃衛にはメンタル面で勝ちようがなかった結末にも思える。時限設置で殺さなきゃ助けられない状態にされるとこうもあっさり覆ってしまうのか。もしかしたら打ち切り用のラスボスだったのかも知れない。結末は刃衛自害で終わらせるけど。そういや志々雄真もセルフ発火という自爆な終わり方だったなあ。殺さないという縛りは作劇的にツライ要素ありそう。

「窒息死は汚く醜い 死体が涎糞尿を垂れ流す」(287ページ)
「お前は常に“御頭”の配下に見張られているんだよ 寝間でも 風呂でも 用便ン時でもな」(345ページ)
作者、最近DVD所持で書類送検されていたけど、ロリ趣味は意外だったよ。上に引用したセリフから、スカ方向の人だと思っていたので。

■松浦だるま「累」10巻/イブニングKC



母・誘の死の真相が明らかに。累も現場にいたもののショックで覚えていなかった模様。12時間限定ではなく、永遠に顔が交換出来る方法もあると判明。口紅、年齢差ある間でキスしたらどんな形で顔交換になるんだろうか。昔美人だった老人とキスしたら、若い頃の顔になるんだろうか。もしそうなら、母は最終的には累に顔を与えて死ぬ予定だったのかも知れぬ。

五十嵐幾が再登場。1巻後半、高校生時代の累の先輩。誰一人幸せになれる絵が浮かばない漫画であるが、幾には幸せになるチャンスあるのかなあ。幾、累の独り相撲で一方的に恨まれて疎まれただけで、当時行動も考えもクリーン過ぎる存在通しているからな。そういうキャラでも恋とかでコロッと裏切って堕ちる可能性秘めてるから油断ならない作品でもある。

野菊追跡で動く天ヶ崎、早くも幾にアプローチ。真っ向から顔交換話をしたり、勝負に出たな。しかもよい判断だったようで、幾が早速動揺している。幾、ここからが正念場だ。前述の心配事、不幸にならずに済むかどうかはここにかかっているぞ。

■上原求・新井和也「1日外出録 ハンチョウ」(原作:萩原天晴・協力:福本伸行)2巻/ヤンマガKC



不穏な雰囲気で跨いだ前巻であったが、大槻が策に溺れるようなオチになって一安心。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」メッチャ推し。女将まで言い出したのには笑った。未視聴ながらも地味に気になる映画の一つになってしまったではないか。

ただ外に出て飯を食うだけではなく、この巻からは地域性も取り込んできた模様。京都に向かう話とかナ。大槻、随分と学があるキャラになってきてるんですけど。ここまで来ると、この人ホントなんで地下施設落ちしたのか気になってくるな。地下に落ちてから色々学んで成長したキャラなのかも知れないけどさあ。

カレーは母親の味がベストというのは何か分かる。これ何なんだろうな。美味いカレーの記憶、つぶさに親にリサーチしても全然特殊要素がない素材ばかり出てくるんだよなあ。ベースもバーモントカレーだし。まああれだ。カレーさえどうにか出来りゃあ、母親の面目躍如だよ。

ようやく地下から解放される人物の、現代とのギャップを描くネタは挑戦的で宜しい。チョベリグとかエアマックス狩りとか、これ下手したら本編で大槻が活躍していた頃と被るかもしれないレベルの話でしょ。トネガワ外伝含め、時代の変遷をスルーしてどうにか成立するような作品なのにあえてそれをぶっこんで来るとは。

■谷川ニコ「クズとメガネと文学少女(偽)」1巻/星海社COMICS



進学高に入学した織川衣栞がイメチェンを図り、文学少女を装う。そんな織川に恋する古河、ガチで読書家の守谷の三人が織り成すコメディ漫画。四コマスタイル。内容はいつもの谷川ニコのノリ。

谷川ニコはどうしてもわたモテの印象が強く、つまりはもこっちみたいなキャラしか描けないように思っちゃうが、この漫画は見た目が可愛い女の子をちゃんと可愛く描いている作品になる。中身はポンコツだけどビジュアルは可愛い。いや中身も可愛くて色々とあざといぞこれは。

織川、自分と似たキャラに対して偽物呼ばわりしているのは何かもこっちっぽかったけど。お前が偽でしょうに。あのあぐら読書女の今後が気になる。メガネと意気投合するポジションになるのかなあ。

作中に登場した本に対してのエッセイ的なものも収録されており、谷川ニコ、案外活字本を読んでいるのねという感想。自作に反映されてないのでそこは意外だった。反映されているのはむしろネットネタばかりだよ。今作でもメッチャ早口や嘘松ネタとかあったし。まあ、読んだ本の元ネタが分かるレベルで反映されたらそれはそれで問題なのでオッケーですな。

何かこの一冊で終わってもいいような幕引きだったけど、一応続くんだよな? 1巻ってなってるし。

あと、出てきた小説は全部読んでみたくなるなあ。三島由紀夫とか一生読まないと思っていたけど、この漫画見てたら娯楽として楽しめそうだよ。化石になってる文学、現代でもまだ楽しむ方法ありそうだなと気付かせてくれた。

■谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」10巻/ガンガンコミックスONLINE



修学旅行のメンツとのその後のちょっとした発展が目につく。修学旅行はホント転換期だったんだなーと思う。まず、印象悪めだったうっちーへのフォローが面白いな。パンツを盗まれた一件からここまでおかしなレズ妄想キャラに広げるとは。うっちーは業の深いキャラ。同性愛者に付きまとわれているという誤解から、自身もそれをキモい言いつつ愉しんでいる風になっているというのは、複雑な面白さがある。己に当てはめて考えるとその難儀さが分かる。ホモに好意を持たれていると仮定して、その相手に応えられるかと問われれば、困るの一言に尽きる。

弟の智樹を通して、こみなんとかさんや後輩の井口さんともこっちの絡みも。もこっち、モテまくりの弟を利用しないのが意外だな。弟がモテるのを知って、あえて常に一緒にいて周囲に見せびらかす、みたいなコトやりそうなもんだが。近い存在なので弟がそんなに人気ってのを理解していないんだろうか。

特別編のロッテとのコラボが小宮山さんを通して無駄に詳しくて、しかし褒めてないような内容になってて楽しい。よくこれ通ったな。いやホント詳しいからちゃんとリサーチしてそうってのはよく伝わってくるんだがな。

■ゆでたまご「キン肉マン」59巻/ジャンプコミックス



キン肉マンVSネメシス、決着。前巻でほぼ決まっていたので、今回は後処理的な話。

このシーンに限らず、今のキン肉マンを読んでて驚くのは、何を言っているのか分かるという点。主義主張がよく分かる。昔のキン肉マンは何だか出鱈目書いてるだけにしか思えず、理解を放棄していたけど、この年齢になってから読み返したら分かるのかなあ。多分、分からない気がする。

まあ今でも技のダメージとか納得いかないものもあるけどさ。空中で組んでリングに激突する系の必殺技、自分が大ダメージじゃないのその体勢、みたいなもの多い。そこは割り切る。技名叫んでいるほうが有利なんだと割り切るよ。

悪魔将軍VS超人閻魔も開始。超人閻魔、絵面的にはビッグ・ザ・武道なので、旧シリーズのボスキャラ対決見てる感じでとても楽しい。悪魔将軍も地獄の断頭台やダイヤモンドを既に公開して出し惜しみない戦いがスタート。悪魔将軍にはバッファローマン&サンシャインが、超人閻魔にはネプチューンマンが解説やらフォローやらしているのが旧作からの繋がりを大事にしてて宜しいナ。

■谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」9巻/ガンガンコミックスONLINE



再読。修学旅行終盤から体育祭までを収録。

前巻に引き続き、田村ゆりとはどういう人物だったのか気にしつつ読んでみたが、まあ、この時点ではやっぱ普通だよなあ。班組みで強制的にもこっちを観測するポジションになった極々普通の女子高生っぽい。ノーマルな女子高生にはもこっちがどう見えているのか、みたいなニュートラルな実況の立場に思える。

修学旅行以降、登場キャラが増えてもこっちとその周辺が一気に広がって面白くなっている。いや連載していた頃は奇人もこっちに対して当然の反応(あいつはヤバいんじゃね?的反応)を示す人物が増えたので、この漫画に漂っていた優しさが失われつつあったのが軽く嫌だったんだがな。でも今となっては良い開拓だったんだなーと。作者凄いな。

体育祭は弟経由で男性との絡みが多くてそこもまた今後どう転がるのか楽しみ。弟との距離感良いな。異性の兄弟姉妹がいたらこういう感じになるんだろうか。なりそう。

■天野喜孝「アモン・サーガ」(原作:夢枕獏)/徳間書店

ファンタジー作品。酒場でひと波乱起こした謎の少年アモン、彼が巨大な亀の上にある都市で募集している戦士の試験に挑み、採用されるトコロから始まる。世界観というか画風(陰影の付け方)というか、寺沢武一漫画っぽいサムシングを感じさせる。

昔の漫画故か、天野喜孝が漫画作法に慣れてないが故か、読みにくい作品であった。視線誘導とか読者を甘やかしてくれる技術に関しては無視してもいい時代だったんだなと感じた。読者が頑張ってついてこい、みたいな。

全6話、この一冊で完結という形にはなっているんだろうが、消化不良な終わり方。仕込みも回収されてないし、普通に打ち切りな部類に入るんだが、もともと終わらなくてもいいぐらいの気持ちでやっていたのか、作画担当の気力切れを加味してここまでにしておいたのか、読んでて見当が付かないなこれは。

天野喜孝が描いた漫画、という意味では希少価値があるのかも知れない。ただ内容自体は別に面白いとも感じないものだった。そんな感想で終わる。

■橋本智広・三好智樹「中間管理録 トネガワ」(原作:萩原天晴・協力:福本伸行)6巻/ヤンマガKC



ツイッターでの帝愛アンチの正体が判明。えーと、この人誰だっけ? マルチに騙されてた人? 能力を買われて利根川の温情で帝愛ツイッター担当になるけど、ゆるい。その判決、実にゆるい。本編はこんな人情漫画じゃなかったよなあ。それっぽいまとめ方しやがって。で、このツイッターネタはこの巻ラストでも再び登場、利根川の期せずの縦読みによって大炎上にて終了。炎上したけど結果的にフォロワー爆増でノルマ達成かと思いきや当然それは無理というオチ。再登場はまた何かインターネット絡みで活躍するのを期待したい。

会長の影武者たるまさやんにまつわる話も収録。ほぼアニマル扱いしてて、それが(ネーム含め)通っているのが面白い。最後に登場した黒崎が「これ」呼ばわりして美味しいトコ持っていくのが素晴らしい。黒崎、空気一切読まずにガンガン正解掴んでいくのが良いな。こういうタイプリアルにもいそうだ。

会長が拗ねる件に関して、女黒服のアドバイスが効く話も面白い。会長を女子と見做す行為が是に転がる。何だろ、前述の黒崎ってこういう部分含めて無意識に上手く立ち回れているんだろうかね。

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