雨足が強まってきた。線路沿いの薄暗い夜道を歩いていた私は、傘をさそうと立ち止まった。すると、猛スピードで走ってきた車が、悲鳴のように甲高いブレーキ音を立てて急停止した。真っ赤な車から現われたのはあの貧相な男。今夜も、身の毛もよだつ理屈の数々で、私を口車に乗せようとする。…完敗ね。また笑ってしまったわ。 タイプするために改めて読んだ裏表紙の粗筋、これは内容がまるで分からない。土屋賢二のエッセイをいきなりこの本から手に取る人がどれぐらいいるのか分からないけど、いい意味で裏切られるんじゃないだろうか。 内容はいつも通りの詭弁で相変わらず面白かった。偉そうな口ぶりでその実自虐。連続して読みたくない文章だ。勿体無くて。予定調和フレーズを前フリにしつつ、明後日の方向に繋がる文章は癖になる。土屋賢二エッセイには飽きたくないので、これからも集中的に読んだりはせず、忘れた頃に新刊を手にしていこう。
|