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■「赤い文化住宅の初子」/映画/2007年日本/監督:タナダユキ

兄の克人と二人暮らしの中学3年生・初子。父は借金を残して蒸発、母はその借金の返済に齷齪してる内に先立ってしまい、二人の生活は苦しかった。高校に進学したいと思うも、経済状況により断念せざるを得ない初子だったが、金欠がもたらす悲劇は更に襲い掛かる。

悲惨そうな梗概になったが、貧乏の悲劇のみを描いた作品ではない。貧困の中に優しさはあるし、更には貧困とはまた違う悲劇もある。とりあえず最大の見どころを述べておくと、初子役の東亜優がピュア可愛いという点。余り聞いたコトの無い名前だし、他の作品に出ているのか怪しいがとにかく東亜優が可愛かったので全てオッケーとする。

楽観的な「赤毛のアン」を呪う、つまりは自分を都合よく救ってくれる王子様の存在を心で殺し続けるリアリストの初子が素敵。王子様に成り得る存在である三島がいて、彼と切なくもハッピーな幕切れに思えるラストだったりするんだが果たして物語のその後はどうなるのかは分からない。初子は中三にあるまじき老成を見せている。他者との約束が如何に脆弱なものなのかを知っている。今この瞬間、どれだけ本心で愛を語ろうが、人は変わる。それをも知っている中三。貧乏生活で鍛えられているのは伊達じゃない。これは流石に好み。10年かけて心をほぐして結婚に持ち込みたいタイプ。

父との過去の約束、『お父さんのお嫁さんになる』というのは娘が言いがちな台詞であり、そのコトが初子自身の心を縛る。自分もそんな風に変わっているんだし、三島くんも一時の情熱で言っているだけで経年で変化するは明らか。そんな前提で、それでも、あのラストは三島への信頼/心を開いたポジティブな変化と見たい。憎み続けてきたアンを許し、自分に希望を持ったラストと判じたい。

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