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■山田風太郎「かげろう忍法帖」/ちくま文庫



ちくま文庫の全12冊からなる「忍法帖短篇全集」は、編まれた当時は既に読んでいた作品が大半であったのと、純粋に貧乏であったので、収集をスルーしていた。それから10年程経ち、読書からも離れていて、しかし小説は適度にネット通販で集めていた中、気付けば全巻揃っていたという状況になっている。大半が程良く記憶から欠落しているので新鮮な気持ちでこの全集を読もうと思う。

■忍者明智十兵衛
これが短編かと驚く密度。明智光秀の謀反という確定事項をオチに、奇抜な忍法、愛憎、化かし合いと言った山風の面白エッセンスがとことん詰め込まれている。忍法帖は長編のバトルばかりが好みであったが、最近は嗜好もやや変化してきたので非バトルも多い短編も楽しめそうだなーと感じた導入。

■忍者石川五右衛門
楊貴妃の鈴という淫靡過ぎるアイテムを生み出しただけでも素晴らしい。素敵にキャラ立てした信貴城之介があっさり葬られるってのも良い。

■忍者向坂甚内
先2作同様、男女にまつわる切ないすれ違いで話を彩っている。

■忍者撫子甚五郎
ルール設定&実戦までの前フリが長いんだが、その前フリも面白いんだから仕方ない。

■忍者本多佐渡守
収録作中ではこれがベストか。山風の描く策士はなんて魅力的なんだ。本多佐渡守/策士サイドでの行動は明かされつつ展開するが、真意は伏せられており、読者は大炊頭と同様に意味も分からないまま付き合わされる。適度に分かりやすく、しかし肝は伏せられているバランス感覚が良い。一筋縄ではいかない怪物の話として終わらず、弟子がちゃんと藍より青くなっているのもまた凄い。

■忍者服部半蔵
服部半蔵とは何者かを描く作品。例え気の迷いであろうと心の機微を描く山風作品の中では異質な一作に感じる。トクセンの言霊で生まれるのが服部の名を継ぐ者という話なんだろうが、余りにも無説明なのがかえって恐ろしい。

■『今昔物語集』の忍者
影響を受けているのではないかと問われて今昔物語集を手にした作者が、そこから忍法に近そうな一部のエピソードを紹介しているエッセイ的なもの。紹介されている話は忍法帖と比べたら流石に微妙。

■忍者帷子乙五郎
ボーナストラック扱いとして単行本初収録になる作品であるが、「忍法忠臣蔵」の原型、導入の衝撃的なアレをオチに持ってきている短編であった。

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(これは藤林杏の為の歌じゃない)
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(失った信頼の為に黙祷するやつはいない)
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(あの生き物はマス受けするTシャツ男になるつもりはない)
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