■夢枕獏「月の王」/徳間文庫
- 2016 02/16 (Tue)

「人の首の鬼になりたる」「夜叉の女の闇に哭きたる」「傀儡師」「夜より這い出でて血を啜りたる」「月の王」、以上5編からなる連作短編集。
「幼樹・あやかしのき」のアーモンとヴァシタが活躍。毎回お約束的な掛け合いの導入、これもまた夢枕獏らしいな。アーモンが退屈だと言い出してヴァシタが良からぬ予感を抱きつつも危険に飛び込む。「陰陽師」の「ゆこう」「ゆこう」『そういうことになった』みたいな面白定形。前作でも思ったが、インド版陰陽師だなコレは。
ビジュアルをきっちり脳内に描いてこそ面白い作品かなーとも思った。映像を浮かべるというのはまあどんな小説でも必須だろうが、怪物の描写にえらく力入れててそこがキモっぽいこの作品は特にそう感じたよ。
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